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かな

かな

  • 漢字が中国から日本に伝来してくると、漢字を利用して日本語を表記することが行われて、漢字の偏と旁から片かなを、草書体から変体がなと平がなを作り出した。

    「言霊(ことだま)にようで幸福がもたらされる国」という、万葉集の歌にもあるように、日本人には特に言葉に対する尊崇の思いが強い。そのような意志伝達の貴重性、言葉への愛着・尊重が日本独自の文学、和歌や俳句を生んだ。

    ここに使用されたのがかなで、漢字の芸術的表現を転化して、独自のかなの表現法を生み出した。自然美と情緒を尊ぶ日本人の感性が、実用ということの他に曲線美、流麗美を強調しながら漢字と異なる芸術的な美しさを作り出しているのです。

  • 日本の美しい言葉を書くために生まれたかなは、主に古典の鍛錬の中から理解され、和歌や俳句などが、かな文字で表現されています。書者の古典への志向の違いから多彩な表現が行われ、大字かななど新感覚を盛り込んだ現代的かなの美が追求されています。

作品一覧

なげくまじ微塵の身もて天地の・・・(杉浦翆子)この夕べ岩間に瀧津音せぬは・・・(良寛)そのついでに故入道大納言草の枕に・・・(阿仏尼)ふり向いて誰もゐぬ日の帚草(神尾久美子)ゆく秋の大和のくにの薬師寺の・・・(佐佐木信綱)虚木綿の隠れとほたるぶくろかな 他・・・(正木ゆう子)菜の花にかすみて小さき野の寺に・・・(若山牧水)春のはじめつ方消息奉るとて…(吉野秀雄)高槻のこずゑにありて頬白の・・・(島木赤彦)