2018年
仏ニースで「毎日書道展」
毎日書道展幹部の秀作約30点を展示の中心にすえた日仏修好通商条約締結160年記念の企画美術展が、2018年12月14日から19年2月10日まで仏ニース市のアジア美術館で開催され、連日仏市民や学生、現地在住の日本人グループで盛会となった。
展覧会は「Esprit d’Harmonie」(和の心)のタイトルで、近年仏国立ギメ東洋美術館に収蔵された毎日書道展の中野北溟、小山やす子氏ら29人の作品をメインに据えた本格的な書道展。ほかに仏人陶芸家による東洋風の陶磁器作品、日本や中国の硯、水石コレクションなども展示され、赤い展示壁面や凝った照明などとあいまって重厚な雰囲気をかもし出していた。
この展覧会は、ニース市を含む南仏のアルプ・マリティム県が、パリ・ギメ美術館で過去3回開かれた毎日書道会の「現代日本の書・代表作家展」に刺激されて企画立案し、世界への書の普及を目指す毎日書道会が協力して実現にこぎつけた。
初日に開かれた開幕式では同県議会のマリー・デュモン副議長が「日本の素晴らしい現代書を当地で鑑賞できるうえ、出品作家にも来仏していただき、とても光栄に思います。書を通じた日仏文化交流が深まることを確信しています」と挨拶した。マルセイユ日本総領事館の池田潔彦首席領事も「日仏修好160年の節目の年に南仏で本格的な書道展が開かれ、日本文化を知ってもらう良い機会となりました」と述べた。
開幕式には、毎日書道会から西村修一専務理事、永守蒼穹理事、山中翠谷総務らが出席し、西村専務理事は「戦後、芸術性を追求して大きく発展してきた日本の現代書の精髄を、フランス各地の皆さんに少しでも感じ取っていただくと幸いです」と挨拶した。
ボランティア参加した出品作家の永守、山中両氏は、アジア美術館が企画した市民や学生向けのワークショップ2回の講師として手を取りながら熱心に指導。さらに計3回開いた席上揮毫会でも、近代詩文書や大字書を軽やかな筆捌きで披露し、鑑賞者から熱い視線と活発な質問を浴びていた。
盛会だったシンガポール大展(次回は2020年に北京で)
「書の五輪」を目指してアジア主要国の書道団体が中心となって組織する国際書法家連合総会の「第13回国際書法交流シンガポール大展」が2018年9月1日から5日まで、シンガポール書法センターなど3カ所で華やかに開催され、毎日書道会からは鬼頭墨峻理事を団長に14人が参加して交流を深めた。
同大展は創立50周年を迎えたシンガポール書法家協会(陳聲桂会長)が記念展を兼ねて主催したもので、同国での開催は3回目。中国書法家協会や毎日書道会など同大展創設以来の7団体を中心に計23カ国から計386点が出品された。
毎日からは鬼頭団長と副団長の赤平泰処監事の2人が第一会場に、他の理事、監事、総務、評議員の48点はシンガポール華人文化センターに展示され、毎日展の優れた作品の数々に各国代表団も熱心に見入っていた。また、開幕式にはハリマ・同国大統領も訪れ、鬼頭団長らの席上揮毫にしばし足を止めていた。
約230人が出席して盛況だった祝賀会では、書の国際化や交流の深化を目指すことが確認され、出品者で参加していた藤野北辰、吉田久実子両評議員ら団員も盛んに交流を図っていた。会期中、代表者会議が開かれ、次回は2020年に中国で、2022年はインドネシアで開催することも決議された。