企画展
強く元気な作品を披露した新会員作家展
この4月、第67回毎日展から会員に昇格する書家の最新作品を集めた「毎日書道展新会員作家展」が3月2日から28日まで4期に分けて東京・竹橋のアートサロン毎日で開催。新会員作家展は、平成6年(1994年)にスタートし、今年で22回目、今回は164人が会員昇格の資格を取得、うち146人によって書展が催された。2日から7日までの第1期に展示された書家は、漢字、かな、近代詩文書、大字書、篆刻、刻字、前衛書の7部門、37人。第2期は9日から14日まで、同部門の37人、第3期は16日から21日まで、篆刻を除く6部門の36人、最終の第4期は23日から28日まで、同部門の36人の作品を陳列。昇格決定後、初めての作品披露とあって力の入った強い、元気いっぱいの作品が目立った。13日には祝賀会が開かれ、席上、毎日書道会理事らが「会員証」を新会員1人ひとりに手渡し、激励した。和やかな懇親、交流の輪が広がった。
干支切手揮毫作家展 -羊・未・ひつじ・ヒツジー
大きな話題を集めている新年の干支「未・羊・ひつじ・ヒツジ」記念切手の文字を揮毫した書家10人の干支文字作品を展示した「干支切手揮毫作家展」が、1月13日から23日まで東京・竹橋の毎日新聞社の「アートサロン毎日」で開かれた。「干支切手」は毎日書道展所属の日本を代表する書家の協力を得て平成17年(2005年)の「酉・とり」から発行を始め、今回で11回目、来年の「申・さる」で十二支が出そろう人気の切手で毎年、反響を呼んでいる。切手に採用された作品とともに採用されなかった作品も展示、紹介された。
足達流の植田礼瞳さんの応援を得て新春にふさわしい草花が飾り付けられ、華やかな会場となった。
10人の書家は、次の通り。(50音順、敬称略)
▽井之上南岳(鹿児島県)▽薄田東仙(新潟県)▽小竹石雲(岡山県)▽小山やす子(東京都)
▽貞政少登(同)▽關正人(同)▽中野北溟(北海道)▽中原志軒(東京都)▽藤野北辰(奈良県)
▽船本芳雲(神奈川県)
チャリティー書展 昨年を上回る入場者で大にぎわい
毎日書道展を代表する書家の作品を販売する「毎日チャリティー書展」が1月5日から11日まで、東京・銀座2丁目、銀座貿易ビル8階の東京銀座画廊美術館で開かれた。会場には最新作274点が展示され、作品が部屋に飾ることができる大きさとあって購入希望者が多く、初日の開場前に行列ができるほどだった。
連日、多くの書ファンが訪れ昨年を上回る3700人に達した。毎日書道会最高・常任顧問、顧問、理事などの作品は75600円、総務、評議員、参事など54000円、毎日書道展運営委員、会員賞選考委員、当番審査員、各展実行委員長など32400円。経費を除いた売上金は、毎日新聞東京社会事業団に寄託される。正月恒例のチャリティー書展は、昭和60年(1985年)から始まり、今年で29回目。
第14回現代の書 新春展―今いきづく墨の華―
東京・銀座の正月を墨で彩る「第14回現代の書 新春展-今いきづく墨の華-」が1月5日から11日まで和光ホールとセントラルミュージアム銀座の2つの会場で開かれた。書の今日性と芸術性を重視、「現代の書」が躍動する世界を展覧することを目標に掲げており、新たな年を迎えるに相応しい力作が会場を飾った。和光会場での開会式には、出品者、来賓関係者らが出席、まず、朝比奈豊・毎日書道会理事長(毎日新聞社社長)が、「楽しみにしておりました今年の和光さんのショーウィンドーで、先生方の様々なひつじに出会いました。未の年に新たな書の未来を切り開くことができるよう祈っております」とユーモアを交えて挨拶、次いで会場を提供する和光の安達辰彦社長が祝辞を述べた。
和光会場の出品者の毎日書道会最高・常任顧問、顧問、理事、監事、第66回毎日書道展文部科学大臣賞受賞者合わせて29人、一人ひとりが紹介された。
また、新春展実行委員長の船本芳雲さんの第56回毎日芸術賞受賞が報じられた直後とあって会場に集まった関係者から大きな拍手が送られた。引き続き65歳以下の毎日展審査会員100人の作品が展示されたセントラル会場で祝賀会が行われた。
はじめに実行委員長の船本さんが、「書道文化を取り巻く環境は厳しい状況にあります。この新春展を企画した金子卓義さんは、14年前に銀座に書の風を吹き込もう、と宣言した。今、この街にはみごとに爽やかや風が吹いています。この風を全身に感じ、楽しみながらたくさんの人たちに足を運んでいただき、書のすばらしさを味わってほしい」と強調した。この後、第67回展の実行委員長を務める辻元大雲さんの発声で乾杯、新春展が開幕した。
和光会場には、稲村雲洞さん「朴直」、恩地春洋さん「壷」、中野北溟さん「流氷の詩」、小山やす子さん「山家集」、石飛博光さん「夢一場」、「桜貝」、關正人さん「主一」や船本さん「ふるさとこいしや」、辻元さん「万歳の袖をひらけば…」など重厚な作品が並び、出品者2人で行う対談形式のギャラリートークが人気を呼んだ。
セントラル会場には、鈴木不倒さん「夢十夜」、千葉蒼玄さん「天気輪の柱」、西墨濤さん「新春 眞山民詩集」、西方純晴さん「開也」、日守菜穂子さん「浄土往生」、丸尾鎌使さん「feeling―心の感情」、宮本博志さん「錆びた扉」、山中翠谷さん「融」、渡部會山さん「復奚疑」、加藤煌雪さん「Message」、加藤有鄰さん「吉祥」、金子大蔵さん「馴鹿」、鈴木響泉さん「雲遊」など力のある書家の多彩な作品が注目された。出品者による席上揮毫や作品解説には多くの人たちが駆け付け大にぎわいだった。
2015年 毎日書道展新会員作家展
平成27年度に毎日書道展の会員に昇格する作家の展覧会が、3月2日から4週間にわたって、東京都千代田区一ツ橋の「アートサロン毎日」(パレスサイドビル1階)で開かれます。入場無料。
昨年度の66回展までに入賞を重ね、来年度に会員に昇格することが決まった164人中、146人が出品します。漢字、かな、近代詩文書、大字書、篆刻、刻字、前衛書の7部門で、4期に分かれて展示します。
1期は3月2日から7日、2期は9日から14日、3期は16日から21日、4期は23日から28日です。開館時間は午前10時から午後6時。ただし、土曜日は午後4時閉館です。また、日曜日は休館です。