海外展

2014年 第11回国際書法交流バンコク大展

2014/08/13

 国際的な書道展と世界の書壇が注目する「第11回国際書法交流バンコク大展」が、8月13日から16日までタイ・バンコクで初めて開催された。1990年にシンガポールで催されてから隔年にアジア各地で開かれており、今回も世界21カ国・地域で活躍する書家の力作が一堂に会し話題となった。日本からは毎日書道会最高・常任顧問、顧問、理事、監事、総務の計35人が出品した。開幕式には、理事の鬼頭墨峻さんを団長に石原太流さんや糸賀靖夫専務理事らが出席、盛大な式典が行われた。「書のオリンピック」といわれ第1回のシンガポールの後、北京、東京、クアラルンプール、台北、ソウルなどの都市で実施、2010年の第9回展は、「平城遷都1300年祭」に合わせ、秋篠宮ご夫妻をお招きし、奈良で開かれた。2016年の第12回展は、北京で開かれる。

2013年 パリ展―秋展―

2013/10/23
【2013年秋展】 日程
名 称
「現代日本の書 代表作家パリ展 SHO2」
(通称 パリ100人展)
会 場
フランス国立ギメ東洋美術館(パリ市内)ギメ美術館とは?
会 期
2013年10月23日~2014年1月13日
(火曜日休館)
主 催
フランス国立ギメ東洋美術館
一般財団法人毎日書道会
共 催
毎日新聞社
後 援
在仏日本国大使館
「現代日本の書代表作家パリ展 SHO2」――華やかに開幕―― 毎日書道会

毎日書道展を代表する書家100人による「現代日本の書代表作家パリ展 SHO2」(フランス国立ギメ東洋美術館、毎日書道会主催、毎日新聞社共催、在仏日本大使館後援)が10月22日、現地で華やかに開幕した。昨春、同美術館の招請により、41人で開催された「SHO1」に続くもの。初日の開会式、2日目の懇親祝賀会には日本からの500人を超す訪問団も出席し、芸術の都・パリでの書展開催に花を添えた。来年1月13日まで開催予定で、会期中は席上揮毫会や書道教室も行われ、日本の書の国際普及や日仏文化交流を深める一助となりそうだ。

開会式は現地時間の同22日午後6時から、同美術館ホールで開かれた。現地の美術関係者や現地メディア、日本の報道各社を含む約270人が見守る中、毎日書道会の5人の理事・監事による席上揮毫でスタートした。辻元大雲実行委員長(理事)の司会進行で、仲川恭司理事の「龍」を手始めに、松井玉箏監事があでやかな和服姿で筆を操り、大字かなを披露。続いて石飛博光理事、船本芳雲理事、中原茅秋理事が登壇して運筆の妙を見せ、中原理事がフランス語で「平和」としたためるなど次々に作品を仕上げると、会場から大きな歓声と拍手が沸きあがった。
このあと、同書道会理事長の朝比奈豊毎日新聞社社長が立ち「この書道展を機に日仏交流が新たなステージに立つことを期待します」とあいさつ。在フランス日本大使館の森川徹公使参事官も「フランス全土に現代の日本の書を紹介し、広めていただきたい」と激励。フランス政府を代表して文化通信省のノエル・コルバン次官補が「(著名なフランスの思想家)ロラン・バルトは、『普遍的で生き生きしている書は、世界芸術に大きな影響を与えた』と言っています。今回の書展は、生き生きしていることと、日本文化の高さを見せてくれます」と祝辞を述べた。午後7時過ぎからは、ホールに入りきれなかった参加者も加わり、カクテルパーティーに移った。

同23日から一般公開も始まった。今回の出品者は毎日書道会の顧問、理事、監事、総務、評議員や毎日書道展審査会員から選抜された100人。美術館の外壁や地下鉄などには辻井京雲審査会員の作品をあしらったポスターがはられ、館内には辻元委員長が書いた大型垂れ幕が下がって、雰囲気を盛り上げている。2階の展覧会場には「現代の書」を標榜する毎日書道展の、漢字▽かな▽近代詩文書▽大字書▽刻字▽篆刻▽前衛書の7部門の作品が所狭しと陳列され、カメラを手にしたファン、連れてきた幼児に説明するお母さん、立ち止まり見つめ続けるカップルが熱心に見入っていた。中には昨春展のリピーターも。パリ入りした訪問団も開会式前後に鑑賞し、感慨深げな表情だった。

 24日から3日間は、ワークショップと席上揮毫会が開かれた。フランスの鑑賞者に実際に書を学んでもらったり、眼前で作品が出来る過程を見せ、理解を深めてもらう狙いがある。初日の24日は午前中、安藤豐邨審査会員らによる刻字の教室。約20人の参加者が見守る中、刀を巧みに操りながら刻字の醍醐味を披露。後方のデスクでは、希望者を募って、簡単な刻字制作を教えた。手取り足取りの指導もあって、1時間足らずで力作が次々誕生した。

午後からは、鬼頭墨峻総務、下谷洋子評議員、柳碧蘚総務の順で席上揮毫。朝比奈理事長や美術館のソフィー・マカリウー館長も最前列に並んで鑑賞した。揮毫会後は、3人の書家とフランスの見学者との対話時間。墨の種類や文字のレイアウトなどについて熱心な質問が飛び、3人が丁寧に答えていた。こうした書道交流は11、12、1月にも行われる予定だ。

パリ展開催に合わせて23日、フランス国立図書館旧館1階で同館収蔵の「温泉銘」の特別鑑賞会も行われた。訪仏団のほぼ全員が一日がかりで順番に閲覧した。貴重な機会だけに、できる限り顔を近づけ息をのんで見つめる人、ハンカチを口に当てて立ち尽くす人、言葉を交わしながら見直す人。同図書館のナタリー・モネ学芸員は、一糸乱れぬ見学態度や「温泉銘」に対するひたむきな思いに、「皆さんこんなに熱心に鑑賞していただけるなんて。こちらが感動しました」と、興奮を隠しきれない様子だった。

 フランスの歴代大統領の記者会見や一流デザイナーのファッションショーに使われたウエスティン・パリ・バンドーム・ホテルの「皇帝の間」で23日夜、訪仏団による懇親祝賀会が開かれ、約520人が参加した。朝比奈理事長が「毎日書道展は国際的に評価される新時代を迎えました」とあいさつしたのに続き、第一回パリ展を監修した島谷弘幸東京国立博物館副館長の音頭で乾杯。3日前に着任したばかりの鈴木庸一駐仏大使もかけつけ、「日仏両首脳が6月に文化交流で意気投合しました。そんな中、フランスにこのように素晴らしい日本文化を持ってきてもらうのは非常にありがたい。これからも文化交流の推進をお願いします」と、毎日書道会にエールを送った。

2013秋展

台湾書道団体創立50年記念展(会期終了)

2012/12/20

2012年12月20日(木)~2013年1月2日(水)

会場:中正紀念堂

台湾最大の書道団体「中国書法学会」(沈栄槐理事長)の創立50年を記念した書展「翰耕墨耘50年書芸大展」が、台北市の中正紀念堂で開かれた。中国書法学会と毎日書道会とは、書のオリンピックといわれる「国際書法交流大展」が縁で交流が続いており、創立50年記念展への作品出品と開幕式出席を要請してきた。
記念展には、毎日書道会理事、船本芳雲さんと仲川恭司さんが出品、22日の開幕式に、糸賀靖夫専務理事とともに参加した。開幕式は、台北政府関係者はじめ台湾の代表的書家らが出席、盛大な式典となった。日本を代表して糸賀専務が「毎日書道会は、書を通して国際交流を積極的に推進しています。力を合わせて文化としての書道を世界中に広めていきましょう」とあいさつ、その後、市内のホテルで祝賀会が催され、親交を温めた。台湾では書への関心が高く、日本を含め16カ国の書家が出品したこの記念展の会期中、台湾各地から多くの書道ファンが訪れた。

第10回国際書法交流大展 マレーシア・クアラルンプール展 (会期終了)

2012/12/08

2012年12月8日(土)~16日(日)

会場:SGM総合文化センター

毎日書道会所属の日本を代表する書家が参加する「書のオリンピック」、第10回記念「国際書法交流大展」がマレーシア・クアラルンプールのSGM総合文化センターで開かれた。主催は、国際書法家連合総会とマレーシア書芸協会で日本からは毎日書道会最高顧問、常任顧問、顧問、理事、監事、総務の37人の作品が出品され、会場には21カ国・地域の代表書家の作品、総計363点が展示された。8日の開幕式には、日本から船本芳雲理事はじめ、鬼頭墨峻、柳碧蘚総務、糸賀靖夫専務理事らが出席、テープカットが行なわれ、席上揮毫会など和やかな交流が繰り広げられた。地元新聞社、テレビ局の取材もあり、書道への関心の高さを示していた。交流大展は、1990年にシンガポールで第1回展が開かれて以来、ほぼ2年ごとに催され、日本では、95年に第3回展が東京で、2010年に第9回展が平城遷都1300年の記念事業として秋篠宮様ご夫妻をお招きし奈良市で開かれるなど、回を追うごとに盛り上がっている。開幕式の翌日の9日、代表者会議が行われ、次回、14年の第11回展は、タイ・バンコクで開催されることになった。
日本の出品者は次の通り(敬称略)。稲村雲洞、恩地春洋、中野北溟、大井錦亭、加藤湘堂、岸本太郎、小山やす子、貞政少登、菅野清峯、大楽華雪、田村空谷、米本一幸、内山玲子、高際翠邦、飯島春美、石飛博光、關正人、関口春芳、田岡正堂、辻元大雲、仲川恭司、中原志軒、中原茅秋、林竹聲、船本芳雲、宮崎紫光、中村雲龍、渡辺墨仙、薄田東仙、大野祥雲、鬼頭墨峻、小林畦水、永守蒼穹、室井玄聳、百瀬大蕪、柳碧蘚、竹内鳳仙

2012年 パリ展―春展―

2012/03/14
【2012年春展】 日程
名 称
「現代日本の書代表作家パリ展」(通称パリ展)
会 場
フランス国立ギメ東洋美術館(パリ市内)
会 期
2012年3月14日~5月14日(火曜日休館)
主 催
フランス国立ギメ東洋美術館
(財)毎日書道会
共 催
毎日新聞社

仏国立ギメ東洋美術館館長 オリヴィエ・ドゥ・ベルノン氏のごあいさつ

このたび、日本の現代書道の最も名高い41名の書家を当美術館に迎えられる事は、ギメ東洋美術館にとって光栄な事です。
一流の芸術家の選考は二つのきわめて重要な目的を考慮に入れて行いました。一つは日本で最も人気のある芸術の一つが、見るものをこの伝統的な芸術の中に浸らせること 、もう一つはその現代的な表現の活発さを伝えることです。これらの芸術家の眼差しと実践の多様性は、彼らが彼らの芸術の基準となる伝統の解釈の無限の豊かさに実証されています。
カリグラフィ(書道)は、語源からすれば、手で文字を端整に書く芸術です。文字を持つほとんどの文明にあって、中国、それから極東の書道、中世ヨーロッパのラテンのカリグラフィー、アラビアのカリグラフィーが挙げられます。それは、文字を、線の芸術に昇華させ、多くの様式が展開されています。
極東の書道は、自然とその直接的な表現(表意文字、又は絵文字)の観察に基づいた中国の文字から生じ、コミュニケーションの単純な手段に縮小できるものではありません。しっかりと精神的な伝統に根ざし、書道が全く同等の芸術的行為の結果として、「全体のイメージ」を表しています。
漢字の遺産を基にして、日本では独創的なグラフィックシステムを開発し、独自の規範と手段を持つ日本の書道芸術を切り開きました。迅速に、書道は芸術的創造の領域に達しました。日本で主要な位置を占める芸術であって、現代抽象美術と共に相互に豊かな問いかけをするまで進化する事をやめませんでした。
作品が「表徴とイメージの間」に密かに綴る調和に目を向ける事に私たちを招待してくれるのは、私が心から感謝しているこの展覧会を企画準備した監修者でギメ美術館日本美術部門主任学芸員のエレーヌ・バイユーさんです。
同様に、書道がご専門でその知識を私たちに分けてくださった東京国立博物館副館長で展覧会監修者の島谷弘幸氏と、本展覧会の企画と実行の両面でご協力いただいた書家の辻元大雲先生、永守蒼穹先生と山中翠谷先生に心から感謝の意を表します。 最後に、毎日新聞と毎日書道会の関係者各位のたゆまぬご支援、そして才能を惜しみなく発揮してくださった作家の方々と共にこの展覧会がスムーズに実現するために力を尽くして下さった皆様に心よりお礼を申し上げます。
この展覧会の会期終了後、この度の展覧会のために制作した作品を幾人かの作家がギメ美術館に寄贈して下さる事は、寛大である事と書道を伝える事の熱意を証明しています。それに対し厚くお礼申し上げます。

2012春展